2009年1月20日
国 際の平和と安全保障を維持し強化するための重要な手段の一つが軍縮である。国際社会においては長きにわたり軍縮の重要性が主張されてきたが、各国の軍備増 強を阻止することができなかった。核兵器の出現とともに人類絶滅の危険を意識しつつも、軍縮は遅々として進んでいない。
冷戦後の世界においても、核兵器の拡散が進み、核兵器の使用の危険性の高まりが危惧されている。他方、通常兵器に関しては、対人地雷やクラスター弾で成果が見られるが、全体としては課題を残している。 このような状況の下では、日本において軍縮に関する研究および討論を一層進め、軍縮の具体的な成果をより多くかつより早く達成するために、関係者一同が集結することが不可欠となっている。
軍縮問題の進展のためには、核兵器をはじめとし、化学兵器や生物兵器を含む大量破壊兵器およびミサイルのみならず、対人地雷、クラスター弾、劣化ウ ラン弾、その他の通常兵器などあらゆるものを対象に含むべきであるし、また研究者のみならず、個人として参加する政治家、政府関係者、NGO、産業界、 ジャーナリストなどあらゆる関心のある人々を含めて広く議論すべきである。
以上の理由により、今や、日本軍縮学会を設立するのは時宜にかなったことと考える。その目的は、軍縮に関する諸問題の研究および討論、それらに関連 する活動を行うことであり、少なくとも年1回研究大会を開催し、そのほか随時軍縮に関する講演会や資料の配布、機関誌その他の印刷物の発行、タスクフォー スによる政策提言など、軍縮の進展に向けた活動を行うことである。
黒澤 満(大阪女学院大学教授)
阿部信泰(日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター所長)
秋山信将(一橋大学大学院法学研究科准教授)
浅田正彦(京都大学大学院法学研究科教授)
石栗 勉(京都外国語大学教授)
梅林宏道(NPO法人ピースデポ特別顧問)
鈴木達治郎(東京大学公共政策大学院客員教授)
戸崎洋史(日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター主任研究員)
水本和実(広島市立大学広島平和研究所准教授)
目加田説子(中央大学総合政策学部教授)
吉田文彦(朝日新聞論説委員)